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電力会社を3年半で4回変えた話|比較サイトにもAIにも、地元の会社は出てこなかった

先日、電力会社を変えました。これで3年半のあいだに4回目の乗り換えになります。

正直に言うと、書いていて少し恥ずかしい回数です。ただ、4回やってみて分かったことがありました。

私が最後に選んだのは、比較サイトにも、AIにも、一度も出てこなかった地元の電力会社でした。

この記事でわかること

  • 比較サイトに地元の電力会社が出てこない理由
  • 請求書の4分の1を占めていた「調整費」の正体
  • 基本料金が「月額」と「日額」で比べられなかった話
  • 実際の請求書6ヶ月分で計算した結果
  • 電力会社を選ぶときに見るべき5つのこと

先にお伝えしておくと、この記事は「地元の電力会社なら誰でも安くなります」という話ではありません。私の家では条件が合いましたが、合わない家もあります。その理由も後半で正直に書きます。

目次

3年半で4回、こう変わってきました

まず私の遍歴です。

時期契約先決め方
〜2023年2月中部電力
2023年3月〜2025年12月シン・エナジー価格.comで比較+Googleの口コミ
2026年1月〜6月オクトパスエナジー価格.comで再度見直し
2026年6月〜8月シン・エナジー(出戻り)ChatGPTとGeminiに相談
2026年8月〜地元の電力会社テレビCMで知った

最初の乗り換えは2023年です。周りで「電気代の見直しをした」という話を聞くようになった時期でした。まだ生成AIが一般に広まる前で、判断材料は価格.comの比較とGoogleの口コミだけでした。

そこから約3年、同じ会社を使いました。次に見直したのが2026年1月。このときも価格.comです。

3回目は少し変わりました。ChatGPTとGeminiに相談したのです。結果、5ヶ月で前の会社に戻すことになりました(その理由は後述します)。

そして4回目。今回だけ、きっかけが違いました。テレビのCMです。

なぜ地元の電力会社は、候補に出てこなかったのか

並べてみると、自分でも驚きました。

時期使った手段地元の電力会社は出たか
2023年価格.com + Googleの口コミ出てこない
2026年1月価格.com出てこない
2026年6月ChatGPT・Gemini出てこない
2026年8月テレビCMここで初めて知った

手段は3世代ぶん進化しているのに、地元の会社は一度も出てきませんでした。

理由を考えてみると、構造的なものだと思います。

比較サイトは、掲載されている会社から紹介料を受け取る仕組みで運営されています。全国展開している会社ほど広告予算があり、上位に並びます。供給エリアが限られた地域の会社は、そもそも土俵に乗っていないわけです。

これは比較サイトが悪いという話ではありません。無料で使える以上、そういう仕組みになるのは自然です。ただ、そこに載っていない選択肢があるということは、知っておいたほうがよさそうです。

AIに聞いても出てこなかった、その理由

意外だったのはAIです。ChatGPTとGeminiに相談したときも、地元の会社は挙がりませんでした。

ただ、これはAIが役に立たないという話ではなく、私の聞き方の問題だったと思っています。

私は「電気代を安くしたい。どの会社がいいか」と聞きました。この聞き方だと、返ってくるのは全国的に知名度のある会社です。もし「浜松市で契約できる電力会社を、大手・地域を問わず全部挙げて」と聞いていたら、結果は違ったかもしれません。

このことは、この記事のいちばん大事な部分だと思っているので、最後にもう一度書きます。

請求書を分解したら、4分の1が「調整費」でした

乗り換えを考えるきっかけは、届いた請求書でした。

2026年7月分、使用量325kWhで14,080円。この内訳を見て、目が止まった項目があります。

項目金額割合
基本料金(50A)1,430円10.2%
電力量料金(3段階の合計)7,470円53.1%
電源調達調整費3,322円23.6%
容量拠出金相当額501円3.6%
再生可能エネルギー発電促進賦課金1,358円9.6%
合計14,080円100%

「電源調達調整費」だけで、請求額の23.6%。基本料金の2.3倍です。

正直、それまでこの項目をちゃんと見たことがありませんでした。

「調整費」とは何か。なぜ会社によって有無が違うのか

調整費は、電力の仕入れコストの変動を料金に反映させるための項目です。会社によって「燃料費調整額」だったり「電源調達調整費」だったり、名前が違います。

私の7月分は1kWhあたり10.22円でした。電力量料金の単価が20〜26円ですから、単価がおよそ4〜5割増しになっている計算です。

そして調べていて気づいたのが、これでした。

契約したことのある会社調整費
中部電力あり
シン・エナジーあり(電源調達調整費)
オクトパスエナジーあり(燃料費調整額)
今回の乗り換え先なし

私が契約してきた4社のうち、調整費がないのは地元の1社だけでした。

乗り換え先の料金メニュー表には「料金は、基本料金、電力量料金および再生可能エネルギー発電促進賦課金の合計」とあり、燃料費調整額・電源調達調整費の規定そのものが存在しません料金メニュー表 第5条・2026年2月9日改定/2026年8月9日確認)。

比較サイトの「月額の目安」には、この違いが現れません。だから気づけなかったのだと思います。

調整費は、年度が変わると4.7倍になりました

もうひとつ驚いたことがあります。調整費は毎月変わります。それも、想像よりずっと大きく。

契約先が公表している中部電力エリアの単価を並べてみました。

年度4月5月6月7月8月9月平均
2025年度4.630.000.000.003.453.081.63
2026年度0.607.985.7910.226.7114.887.70

(単位:円/kWh。2025年度の平均は10月〜3月を含む12ヶ月、2026年度は判明している6ヶ月分。9月は暫定値。出典・2026年8月9日確認)

2025年度の平均が1.63円、2026年度は7.70円。約4.7倍です。

月単位で見ると、2026年4月は0.60円、9月は14.88円。同じ年度の中で25倍の開きがあります。

これが何を意味するかというと、同じ使い方をしていても、年によって電気代が数万円変わるということです。しかもこの数字は、私にも読者のみなさんにも予測できません。

ここが考え方の転換点でした。

私は当初「どこが安いか」を探していました。でも調整費のことを知ってから、問いが変わりました。

「安いか」ではなく「読めるか」。

調整費のある会社は、来年いくらになるか誰にも分かりません。調整費のない会社は、単価表を見れば計算できます。私が最終的に地元の会社を選んだのは、安さだけが理由ではありませんでした。

基本料金は、そもそも比べられませんでした

ここで、3回目の乗り換え(オクトパスからシン・エナジーへの出戻り)の話をします。

5ヶ月で戻した理由は、基本料金の建て方が会社によって違うと気づいたからでした。これはAIとの相談で分かったことです。

会社建て方単価年額換算(50A)
シン・エナジー月額1,430.25円/月17,163円
オクトパスエナジー日額52.70円/日19,236円
中部電力月額1,605.70円/月19,268円
今回の乗り換え先月額1,750.84円/月21,010円

オクトパスだけ、基本料金が日割りでした。

1日52.70円と言われるとピンときませんが、365日ぶんで計算すると年19,236円。月額1,430.25円の会社より年間2,073円高いことになります。

しかも、実際の請求書を並べると、こうなっていました。

検針期間の日数基本料金
28日1,475.60円
31日1,633.70円
32日1,686.40円

検針の間隔は月によって28日〜32日と変わります。同じ「1ヶ月分」のつもりでも、210円動いていました。

比較サイトの月額表示では、この違いは見えません。

AIが得意だったこと・苦手だったこと

この経験で、AIの使いどころが少し分かった気がします。

  • 苦手だったこと:地元の選択肢を「探す」こと。私の聞き方では出てきませんでした
  • 得意だったこと:料金体系の落とし穴に「気づく」こと。基本料金の建て方の違いは、自分では見落としていました

探すのは自分で、検算はAIで。今はそう思っています。

公式シミュレーターは、1ヶ月分しか入力できませんでした

乗り換え先の候補が決まったので、公式サイトのシミュレーションを使ってみました。

ところが、入力できるのは1ヶ月分の使用量だけでした。残りの11ヶ月は、その会社の標準的な使い方のパターンで自動的に推定されます。

冬の使用量を入れれば年間が多めに、春の使用量を入れれば少なめに出ます。入れる月によって結果が変わってしまうわけです。

これは特定の会社の問題ではなく、簡易シミュレーター全般に言える構造だと思います。手軽さと引き換えに、精度が落ちる。

結局、12ヶ月分の検針データを自分で集めて計算するしかありませんでした。

そしてここで、乗り換えを繰り返してきたツケが回ってきます。私の使用履歴は、3社に分断されていました。最初に契約した会社はIDが変わっていて、もうマイページから遡れません。

乗り換えると安くなることはありますが、自分の記録は積み上がらなくなる。これは事前に知っておきたかったことでした。

実際に6ヶ月分で計算したら、どうだったか

さかのぼれた分だけで計算しました。2026年1月から7月までの、連続する6ヶ月・179日分です。

検針期間日数使用量請求額
1/15〜2/1128日731 kWh19,927円
2/12〜3/1128日606 kWh16,673円
3/12〜4/1232日559 kWh17,413円
4/13〜5/1331日304 kWh10,155円
5/14〜6/1028日258 kWh8,651円
6/11〜7/1232日325 kWh14,080円
合計179日2,783 kWh86,899円

この6ヶ月を、乗り換え先の単価で計算し直しました。

乗り換え先は時間帯別の料金なので、「いつ使ったか」で結果が変わります。夜間の比率を20%・30%・40%の3パターンで振って、幅で出しました。

6ヶ月の計算結果:同じ使い方で、およそ9,600円〜12,800円 安くなっていた計算です。

(再生可能エネルギー発電促進賦課金は全社共通の単価なので除外。政府の電気料金支援も全社に適用されるため除外しています)

半年で約1万円ですから、年間では2万円前後のペースということになります。

正直、期待していたほど劇的ではありませんでした。ただ、手続きは無料で、工事もなく、一度やれば毎月効いてくることを考えると、やる価値はあると判断しました。

それでも「誰でも安くなる」とは書けない理由

ここが、この記事でいちばん書いておきたいところです。

先ほどの表をもう一度見てください。使用量が少ない月ほど、差が小さくなっています。

使用量差額(標準パターン)
731 kWh約2,570円
606 kWh約1,986円
304 kWh約546円
258 kWh約180円

理由は基本料金です。先ほどの表のとおり、乗り換え先の基本料金は4社の中でいちばん高い(月1,750.84円)。使用量が少ないと、この差を電力量料金の安さで取り返せません。

実際、258kWhの月を「昼間の使用が多い家庭」の前提で計算し直すと、乗り換え先のほうが100円ほど高くなりました。

つまり、こういうことです。

有利になりやすい家庭不利になりやすい家庭
使用量が多い使用量が少ない
夜間・休日の使用が多い平日の昼間に使うことが多い
契約アンペアが大きい契約アンペアが小さい

私の家では条件が合いました。合わない家もあります。だから「調べてみてください」としか言えません。

ついでに気づいた、2つの値上がり

計算の途中で、電力会社選びとは別の理由で電気代が上がっていることにも気づきました。

政府の電気料金支援が、段階的に消えていました

請求書を見ると、値引きの単価がこう変わっていました。

検針時期値引き単価
2026年2月・3月4.5円/kWh
2026年4月1.5円/kWh
2026年5月以降なし

この半年で、私は6,856円ぶんこの支援を受けていました。それがゼロになっています。「最近、電気代が上がった気がする」と感じていた原因のひとつは、これだったようです。

再生可能エネルギー発電促進賦課金も上がっています

2025年度は1kWhあたり3.98円、2026年度は4.18円。これは全社共通で、どの会社を選んでも変わりません。

どちらも自分ではどうにもできない部分です。だからこそ、動かせる部分だけは把握しておきたいと思うようになりました。

電力会社を選ぶとき、次にやること

4回やってみて、次はこの順番でやろうと決めました。全国どこでも使える手順だと思います。

① 12ヶ月分の検針データを集める

マイページか検針票から、月ごとの使用量(kWh)を書き出します。1ヶ月分だけのシミュレーションは、季節の偏りで結果が変わります。

② 調整費があるかどうかを見る

「燃料費調整額」「電源調達調整費」という項目です。ここが料金表の下のほうに小さく書かれていることが多いので、意識して探してください。ある会社は、来年いくらになるか誰にも分かりません。

③ 基本料金の「単位」を確認する

月額なのか日額なのか。日額なら365倍して比べます。月額表示だけを見ていると、私のように見落とします。

④ AIに聞くときは、地域名を入れる

これが今回いちばんの学びでした。

うまくいかなかった聞き方
「電気代を安くしたい。どの電力会社がいい?」
→ 全国的に有名な会社ばかりが返ってきます

試してほしい聞き方
「〇〇市で契約できる電力会社を、大手・地域の会社を問わず、できるだけ多く挙げてください」
→ 候補そのものが変わります

比較サイトも、AIも、聞き方を変えないと同じ答えしか返ってきません。探すのは、まだ自分の仕事なのだと思います。

⑤ 気になった会社は、公式サイトを直接見る

地域の会社は、比較サイトやランキング記事に載っていないことがあります。社名で検索して、公式の料金表を自分で開く。これをやらないと、そもそも比べられません。

よくある質問

Q. 調整費がない電力会社は、珍しいのですか?

私が契約した4社では、1社だけでした。多数派ではないと思います。料金表に「燃料費調整額」の規定があるかどうかで確認できます。

Q. 乗り換えに費用はかかりますか?

私の場合、切替費用も工事費もかかりませんでした。スマートメーターが設置済みであれば、基本的に立ち会いも不要です。

Q. 解約金はかかりますか?

会社によります。私が解約する会社は、契約期間の縛りも解約手数料もありませんでした。ただしこれは会社ごとに違うので、乗り換え前に必ず約款で確認してください。

Q. 切り替えまでどのくらいかかりますか?

私が申し込んだ会社は「申込みから最短で3週間程度」という案内でした。すぐには切り替わらないので、繁忙期を避けるなら早めに動いたほうがよさそうです。

Q. 地域の電力会社は、どうやって探せばいいですか?

「〇〇市 電力 小売」「〇〇県 新電力」のように地域名を入れて検索するのがいちばん早いと思います。自治体が出資している会社もあります。あとは、上の④の聞き方をAIに試してみてください。

まとめ

3年半で4回、電力会社を変えてきました。

比較サイトで2回、AIで1回選んで、最後に選んだのはテレビCMで知った地元の会社でした。手段は進化していたのに、選択肢そのものが目の前に出てきていなかったわけです。

この記事のまとめ

  • 比較サイトには、供給エリアが限られた会社は載りにくい
  • AIも、聞き方に地域名を入れないと大手しか返ってこない
  • 請求書の「調整費」は、会社によって有無が違う
  • 調整費は年度で4.7倍変わった。「安いか」だけでなく「読めるか」を見る
  • 基本料金は月額と日額があり、そのままでは比べられない
  • 使用量が少ない家庭では、逆に高くなることもある

電気代の見直しは、一度やれば毎月効いてくる作業です。ただ、やってみて分かったのは「安くなる」より「読めるようになる」ことのほうが気持ちが楽だった、ということでした。

来月の請求書がいくらになるか分からない状態は、金額そのものより落ち着かないものです。数字が読めるようになると、それだけで少し肩の力が抜けます。

急ぐ必要はありません。まずは手元の検針票を1年分、書き出してみるところからで十分だと思います。あなたのペースで大丈夫です。

※切り替え後、実際の請求額が出たら、この記事に結果を追記します。

電気のほかにも、固定費はいくつか見直してきました。ひとつは見直した6つをまとめた記事、もうひとつはガス会社を変えたときの話です。ガスのほうも「うちは変えられない」と思い込んでいたところから始まったので、今回とよく似た話かもしれません。

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この記事を書いた人

「ちょっと気になる」「少し生活を良くしたい」そんな視点で、使ってみてよかったサービスやアイテム、学びになったことをまとめているブログです。
自分で試したことや調べたことをもとに、なるべくやさしく、正直に書くようにしています。
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